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家庭の食中毒予防

しっかり洗浄、しっかり保存 しっかり加熱

食中毒って?

食中毒は、食品を介して摂取される有害な細菌、ウイルス、寄生虫、またはその毒素によって引き起こされる病気です。食中毒は大きく分けて、細菌性食中毒、ウイルス性食中毒、寄生虫性食中毒、化学物質による食中毒の4つのカテゴリーに分類されます。以下に、これらのカテゴリーごとの主な原因となる病原体や毒素を紹介します。

細菌性食中毒

  • サルモネラ(Salmonella): 生の卵、肉、乳製品から発生しやすい。
  • エシェリキア・コリ(E. coli): 特にO157:H7株は、生の野菜や未加熱の牛肉から発生することがある。
  • リステリア(Listeria monocytogenes): 冷蔵された食品、特にソフトチーズや生の魚介類で見られる。
  • カンピロバクター(Campylobacter): 主に生の鶏肉から発生。

ウイルス性食中毒

  • ノロウイルス: 貝類や汚染された水、人から人への接触から広がることがある。
  • ロタウイルス: 主に子供に影響を与える。

寄生虫性食中毒

  • トキソプラズマ: 生の肉や汚染された野菜を介して伝わることがある。
  • アニサキス: 生の魚介類、特に寿司や刺身から発生。

化学物質による食中毒

  • 重金属中毒(鉛、水銀など): 汚染された水域で捕獲された魚介類によるもの。
  • 自然毒(アフラトキシンなどのカビ毒素、シガトキシンなどの海洋毒素): 某些植物や海洋生物に含まれる毒素。

これらの食中毒は、適切な食品の取り扱い、調理、保存方法によって予防可能です。食品安全の基本的な実践には、十分な加熱調理、生と調理済みの食品の分離、手と調理器具の清潔保持、食品の適切な保存が含まれます。

家庭で行う対策は?

食中毒を予防するための基本原則は、食品の安全な取り扱いと衛生管理に重点を置いています。これらの原則を遵守することで、有害な細菌やその他の病原体の成長を抑え、食品を介した病気のリスクを最小限に抑えることができます。以下に、食中毒予防のための主な原則を挙げます。

1. 清潔に保つ

  • 手洗い: 食品を触る前、加工の途中、そして触った後には、必ず手を洗う。
  • 調理器具と表面の清潔: 使用する調理器具や調理台は使用前後に洗浄し、消毒する。

2. 食品を分ける

  • 生と調理済みを分ける: 生の肉、鶏肉、魚などを調理済みの食品や食べる準備ができている食品から物理的に分ける。
  • 別の調理器具を使用: 生の肉類を扱った後は、他の食品に使う前にまな板やナイフを洗う。

3. 徹底的に加熱する

  • 適切な温度で調理: 食品を細菌が死滅する温度まで加熱する。特に肉類や鶏肉、卵などは中心部まで十分に加熱する。
  • 加熱した食品は適切な温度で保持: 加熱後は、食品を安全な温度(一般的には60℃以上)で保持する。

4. 適切な温度で保存する

  • 冷蔵庫で保存: 腐りやすい食品は、冷蔵庫内を5℃以下に保って保存する。
  • 迅速な冷凍と解凍: 冷凍食品は迅速に冷凍し、使用する際は冷蔵庫内でゆっくり解凍するか、調理時に直接解凍する。

5. 水と原材料の安全を確保

  • 安全な水と原材料の使用: 飲用できる安全な水を使用し、新鮮で汚染されていない原材料を選ぶ。
  • 消費期限と保存方法の確認: 食品の消費期限を確認し、指定された保存方法に従う。

これらの原則を日常の食品取り扱いに適用することで、食中毒のリスクを大幅に減らすことができます。

食品危険温度帯

危険温度帯とは、食品が細菌の増殖に最も適した温度範囲にあるときを指します。この温度帯は一般的に5℃から60℃(41°Fから140°F)とされており、この範囲内では細菌が急速に増殖し、食品を汚染するリスクが高くなります。このため、食品を安全に取り扱う際には、可能な限りこの危険温度帯を避けることが推奨されます。

危険温度帯を避けるための対策:

  • 迅速な冷却: 調理後の食品は迅速に冷却し、2時間以内に冷蔵庫か冷凍庫に移す。
  • 適切な加熱: 食品を安全な温度まで加熱して細菌を殺菌する。特に肉類、鶏肉、卵などは中心温度が75℃(167°F)に達するまで加熱する。
    低温調理は、スチコンのような温度管理が厳格にできる機器で行わないと危険です。
  • 速やかな消費または保存: 調理済みの食品は、可能な限り速やかに食べるか、危険温度帯を避けて適切に保存する。
  • 冷蔵・冷凍食品の適切な管理: 冷蔵された食品は5℃以下で、冷凍食品は-18℃以下で保存する。

細菌はこの温度範囲内で最も早く増殖するため、食品を危険温度帯に長時間放置することは避けるべきです。食品の安全管理においては、これらの温度管理の原則を遵守することが非常に重要です。

*カレーなど、加熱後に温度がさがりづらいものは、危険温度帯の通過時間がながいので、翌日再加熱しないで食べると食中毒になる危険性があります。
また、冷蔵庫に熱い鍋をそのまま入れるのも、冷蔵庫内の温度があがり他の食品が危険です