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音楽ジャンル

東京牧場 音楽制作部

音楽ジャンル 解説

音楽の制作イメージをスタッフ間で共有するときの言葉を集めました。

マンドポップ

マンドポップ(Mandopop)は、主に中国語の普通話(北京語)で歌われるポピュラー音楽のジャンルです。この用語は「Mandarin Chinese popular music」の略で、台湾、中国、マレーシア、シンガポールなどの華人コミュニティを中心に人気があります。マンドポップは、中国の伝統音楽やフォークミュージックの要素を取り入れつつも、西洋のポップ、ロック、R&B、エレクトロニックミュージックなどの現代的な音楽スタイルと融合しています。

20世紀初頭に始まり、特に1980年代から1990年代にかけて、台湾の音楽シーンを中心に発展しました。この時期には、テレサ・テン(鄧麗君)、ジャッキー・チュン(張学友)、周杰倫(ジェイ・チョウ)など、多くの著名なアーティストが登場し、マンドポップはアジア全域に広まりました。現在も多くの新世代アーティストによってジャンルは進化し続けており、アジアのポピュラー音楽シーンにおいて重要な役割を果たしています。

レイヤードプロダクション

レイヤードプロダクションは、音楽制作や録音において、複数の音源や音楽要素を重ね合わせて一つの曲を作り上げる技術や手法を指します。このプロセスでは、異なる楽器のパート、ボーカル、効果音などを別々に録音し、それらを重ねて全体のサウンドを構築します。レイヤードプロダクションにより、より豊かで複雑な音響効果が実現され、音楽の深みや立体感が増します。

レイヤードプロダクションは、現代の音楽制作において非常に一般的な手法であり、特にポップ、ロック、エレクトロニックミュージックなどのジャンルで広く用いられています。音楽制作ソフトウェア(DAW、デジタル・オーディオ・ワークステーション)の発展により、アーティストやプロデューサーは自宅のスタジオでも高度なレイヤードプロダクションを行えるようになりました。この技術によって、音楽の表現の幅が広がり、より創造的な作品が生み出されています。

エレクトロシンセウェーブポップ

エレクトロシンセウェーブポップは、エレクトロニックミュージックのサブジャンルの一つで、1980年代のシンセポップ、ニューウェーブ、エレクトロポップの音楽的要素を現代的な感覚で再解釈した音楽スタイルです。このジャンルは、シンセサイザーやドラムマシンなどの電子楽器を主体に使用し、懐かしさを感じさせるメロディーとリズムに、現代のプロダクション技術を融合させたものが特徴です。

エレクトロシンセウェーブポップは、レトロフューチャーな雰囲気を持ち、1980年代のポップカルチャーや映画、ビデオゲームのサウンドトラックにインスパイアされた作品が多く見られます。このジャンルの音楽は、華やかなシンセサイザーの音色、ポップなメロディー、そして時には宇宙的あるいは未来的なテーマを取り入れた歌詞が特徴で、聴く人に快活で夢幻的な気分を提供します。

エレクトロシンセウェーブポップは、シンセウェーブやヴェイパーウェイヴなどの関連ジャンルと共に、インターネット文化やサブカルチャーの中で人気を集め、特にオンライン上での音楽配信やインディペンデントアーティストによる作品発表の場として広がっています。

ダークウェーブ

ダークウェーブは、1980年代後半から1990年代初頭にかけて登場した音楽ジャンルの一つで、ポストパンクやゴシックロックの影響を受けたエレクトロニックミュージックです。このジャンルは、暗く、憂鬱な雰囲気、深みのあるシンセサイザーの音色、そしてしばしば冷たく、幽玄なボーカルスタイルを特徴としています。ダークウェーブは、その名の通り、「暗い波」を意味し、音楽のムードやテーマが暗く、感情的な深みを持つことからこの名前が付けられました。

ダークウェーブの音楽は、ゴシック文化やサブカルチャーと密接に関連しており、孤独、悲しみ、内省的な感情を表現することが多いです。シンセサイザー、ドラムマシン、時にはギターを使用して、独特のサウンドスケープを作り出しています。このジャンルには、Depeche ModeやThe Cureといったバンドが影響を与えた楽曲が含まれることがありますが、よりエレクトロニックな要素と暗い感情的テーマに焦点を当てています。

ダークウェーブは、ミニマルウェーブ、コールドウェーブ、シンセウェーブなど、他のサブジャンルと重なることも多く、これらのジャンルも同様に1980年代のシンセサイザーベースの音楽にルーツを持ち、暗く冷たい感情や雰囲気を特徴としています。今日では、新しいアーティストやバンドがこの伝統を受け継ぎつつ、現代的な要素を取り入れたダークウェーブを制作し続けています。

中東スケール

中東スケールは、中東地域特有の音楽で使われる音階のことを指します。これには、アラブ音楽、トルコ音楽、ペルシャ音楽など、広範な地域の伝統音楽に見られる特徴的な音階やモードが含まれます。中東の音楽スケールは、西洋音楽のメジャーやマイナースケールとは異なり、独特の旋律と和音を生み出します。これらのスケールはしばしば微分音(西洋音楽の半音よりも小さい音程)を使用し、その独特の音色は中東音楽の魅力の一つです。

主な中東スケールには以下のようなものがあります:

  • ヒジャズスケール:中東音楽で広く使われるスケールで、独特の哀愁を帯びた響きが特徴です。
  • ファリャーティーンスケール:やはり中東地域でよく使用され、独特の旋律的特性を持ちます。
  • ラスタスケール:中東音楽における基本的なスケールの一つで、温かみのある旋律を生み出します。

これらのスケールは、中東の伝統音楽だけでなく、ジャズ、ロック、エレクトロニックミュージックなど、西洋の現代音楽においても影響を与え、使用されています。中東スケールを取り入れることで、作曲家やアーティストはより豊かで多様な音楽表現を追求することが可能になります。

パワーメタルエピック

パワーメタルエピック(Epic Power Metal)は、パワーメタルのサブジャンルの一つで、壮大な物語や叙事詩的なテーマを特徴とする音楽スタイルです。パワーメタル自体が高速のギターリフ、複雑なソロ、力強いボーカル、そしてメロディックな要素に重点を置くジャンルである中で、エピックパワーメタルはこれらの要素に加え、より大規模な物語や歴史的、神話的なテーマを音楽に織り交ぜます。

このサブジャンルの音楽は、しばしばオーケストラや合唱団を取り入れたアレンジが特徴で、映画音楽のような壮大さとドラマチックな雰囲気を持ちます。歌詞は、古代の伝説、英雄的な冒険、魔法やドラゴンなどのファンタジー要素が豊富に含まれ、リスナーを異世界へと誘います。

エピックパワーメタルは、80年代後半から90年代にかけてのヘヴィメタルの発展と共に成長したジャンルで、Rhapsody Of Fire(旧Rhapsody)、Blind Guardian、DragonForceなどのバンドがこのジャンルを代表する存在として知られています。これらのバンドは、技術的に洗練された楽器演奏と、物語を語るかのようなボーカルスタイルで、エピックパワーメタルの世界観を広げています。

オルタナティブメタル

オルタナティブメタルは、1980年代後半から1990年代にかけて登場し、広まったヘヴィメタルのサブジャンルの一つです。このジャンルは、ヘヴィメタルの基本的な構造にオルタナティブロックの要素を融合させたもので、伝統的なメタルの音楽性に実験的かつ多様なスタイルを取り入れたものが特徴です。オルタナティブメタルは、より実験的であり、ファンク、ヒップホップ、インダストリアル、グランジなど、さまざまな音楽ジャンルからの影響を受けています。

オルタナティブメタルのバンドやアーティストは、従来のメタルの音楽的枠組みを拡張し、よりダイナミックなサウンドや非伝統的な楽器の使用、異なる歌詞のテーマを探求しました。このジャンルには、Tool、Faith No More、System of a Down、Deftonesなどのバンドが含まれ、それぞれが独自の音楽スタイルを持ち、オルタナティブメタルの多様性を示しています。

オルタナティブメタルは、聴き手により幅広い音楽体験を提供することに成功し、1990年代を通じて非常に人気を博しました。このジャンルの多くのバンドは、音楽的な実験精神とアイデンティティの探求を通じて、メタルというジャンルの可能性を広げることに貢献しています。